昨年春のSCに続き、昨年秋(H26)のネットワークスペシャリストにようやく合格しました。合格までの道のりが長かっただけに、効率的な勉強方法やおススメ参考書、IPAから問われるキモや合格のコツみたいなものがわかってきたので、午後試験を中心にまとめてみたいと思います。今後ネットワークスペシャリストを受験する方の参考になれば幸いです。

追記:情報セキュリティスペシャリスト編も書きました。独学で情報セキュリティスペシャリストに合格するための勉強法と参考書

追追記:過去5年のネスペの出題傾向をまとめてみました。ネットワークスペシャリストの出題傾向(過去5年)と今年の出題予想

1.おすすめ参考書(勉強は基本過去問3年分)


やはり合格への近道は過去問演習。
自分はNWの過去問だけではなく、情報セキュリティスペシャリストと、応用情報の午後の過去問(ネットワークと情報セキュリティ)も解いてIPAの出題パターンに慣れるようにしていました。

順番としては、まずは「情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト 2016年版」を1周して知識をある程度かためる。分厚い本で精読はなかなか大変なので、とりあえず要点だけつかんで、過去問演習に進むのがよいと思います。
本書の序章「午後問題の解答テクニック」では、情報処理試験の問題を解く上での独特の考え方や、設問の解析方法、攻略法、解答プロセスなどが体系的に書かれていて参考になりました。午後の勉強を開始する前の早い段階で読んでおくと有効だと思います。

情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト 2016年版
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その後は、定番のネスペ本(徹底的に過去問を掘り下げて解説)シリーズで、直近の問題一期分を徹底的に理解します。知識が不足している箇所は、辞書的に情報処理教科書とマスタリングTCP/IPを使いました。

ネスペ 27 礎 -ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説 (情報処理技術者試験)
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参考書については、正直、これ一冊やっておけばOKといった参考書はない(業務でバリバリネットワークをやっている人は別として)ので、ネットワークの知識に自信がない場合は、上記参考書あたりはひととおり学習しておきたいところです。


定番のポケスタは、「○○○と出題されたら△△△と答える」のような出題と回答パターンが網羅されています。ちょっと試験テクニック寄りな参考書ですが、情報処理教科書と、過去問を一通りこなした後に、アウトプット中心の学習として使うにはよいと思います。出題パターンに慣れるという意味では効果的。




あと、試験対策本ではないのですが、「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門」がネットワークの設計の基礎から、実運用レベルの細かい注意点(STPのルートブリッジとVRRPのマスタルータの位置は同じにする。など)が体系的に書かれており、試験勉強だけにとどまらず、実際に業務に役立てることができる良書でした。
  
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門
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同著者の新刊「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン」。

インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン
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上の「~ネットワーク技術&設計入門」がネットワークを設計する上での基本的な技術を網羅する内容だとすると、本書はさらに踏み込んだ「鉄板ネットワーク構成」のベストプラクティス集。
定番のNW構成27パターンが、利用者数の規模とゾーン毎に(中規模クラスの内部LAN向け構成 や 大規模クラスのDMZ構成など)具体的に紹介されています。STPやFHRPなどの単語が細かい説明なしに出てくるので、ある程度知識がある人向けの本です。
各パターンにおける機器構成などの物理設計から、VLAN設計やIPアドレス設計などの論理設計、冗長化設計、運用管理の注意点など、より実践的で包括的な内容になっています。STPやFHRPなどの個々の知識は理解しているつもりだけど、それを実際にどう組み合わせて設計に落とし込んでいくか、実際に使われている定番の設計は?などの疑問に対する答えがこの本には詰まっています。個人的に業務でネットワーク設計に携わる身としては、常にそばに置いておきたい本です。
もちろん、ネットワークスペシャリスト試験対策にもオススメです。午後試験では、事例となる組織の規模(従業員が何十人で云々)と内部LANやDMZなどのNW構成が図示され、それを元に出題されることが非常に多いため、本書で図解される定番のパターンをおさえておけば、実際の試験(特に午後2あたりで出てくる複雑なNW構成図など)でも解答が導きやすいと思います。


欲を言えば日経ネットワーク、日経コミュニケーションあたりも毎月読んでおくと完璧です。(特集記事から非常に似通った事例などが出題されることがあります)



2.おさえるべき基礎


皆、口をそろえて基礎が大事というけれども、ネットワークスペシャリストにおいて基礎の範囲はめちゃくちゃ広いしすべてを網羅するのは無理と思うんですね。そこで、絶対に抑えておかなければならない基礎(逆にいうと理解していないと合格できない基礎)を挙げてみたいと思います。

・最重要基礎はTCP

 現在のインターネットはTCP/IPに支えられており、その中でもインターネットのトラフィックの8割はTCPで、HTTPやメールなど、主要なアプリケーションはTCPで動作しています。ネットワークスペシャリスト試験において、TCPは非常に重要なキーワードとなり、TCPの基礎は体に染み込むまで理解する必要があります。

マスタリングTCP/IPのトランスポート層、TCPを熟読して、TCPの通信において、シーケンス番号や確認応答のやりとりがどのように行われ、パケットがロスするとどのように再送してその時にウィンドウサイズがどう変化するか等、しっかりと理解してください。ここをおさえていないとネスペは絶対受かりません。

マスタリングTCP/IP 入門編 第5版
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Wiresharkなどのパケットキャプチャソフトで、実際にパケットを見て手を動かしながら学習するのもおすすめです。一見遠回りに思うかもしれませんが、ここをしっかりと理解しておくと、障害の原因などを問われるあらゆる設問に対応できるようになります。

・OSI7階層(レイヤをとことん意識する)

設問を読んで、問われている内容がどのレイヤの話かを常に意識しながら解答するようにします。そうすると解答がズレません。
参考:3分間Net Working OSI参照モデルとカプセル化

ネットワークの基礎の基礎は3分間が超オススメです。字数も少なく、一日で読み切れます。
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・レイヤ2とレイヤ3

特に通信のエンドエンドの考え方を意識する。
参考:戸根勤のネットワーク情報 Proxy利用時のhttps通信のパケット(IPヘッダ、TCPヘッダ)に関して

ARPテーブルとMACアドレステーブルの違いは?と聞かれてサッと返答できない場合、レイヤ2、3の知識が不足しています。レイヤの違いを意識して完璧に理解してください。
以下、前回試験でのIPAの講評でも以下のような指摘があります。
平成26年午後Ⅰ問2設問2(4)(5)
「(5)aは正答率が低かった。(4)にも関係するが、通信の第2層と第3層の違いを把握しておいてほしい」
繰り返しますが、レイヤの概念は本当に重要です。これが理解できていないとネスペは合格できないといっても過言ではないです。


3.定期的に出題される鉄板技術テーマ(新技術以外)をおさえる


 流行りの技術については、平成25年の午後2でOpenFlowが突然出題されたりしましたが、山を張って勉強しても、外れた時のダメージのほうが大きいので、新技術を追いかけるのではなく、定期的に出題されるテーマを強化するほうが得策だと思います。また、どうしても苦手なテーマは思い切って捨ててもよいかもしれません。自分はVoIP関連は最初から捨ててました。

気になるIPv6は、世の中的に移行に進んでいる気配はいまいち感じられませんが、そろそろ午後Ⅱの主要テーマあたりに出てきそうな気もします。※ちなみにIPv6は平成24年午後2問2の設問のひとつで出題されています
以下、定期的に出題される個人的に鉄板と思われるテーマをあげてみます。

★★★ ファイアウォール、VRRP、VLAN、無線LAN、DNS、メール、HTTP、仮想化
★★ プロキシ、負荷分散(LB)、VPN(SSL-VPN、IP-Sec)、VoIP
★  PKI、QoS
※STPについては枯れた技術となりつつあり、出題は減ってくると予想。


4.徹底的なアウトプットの訓練と解答に使える語彙力の強化


 試験中、緊張したなかで、なんとなく思い浮かんだ答えを30字~60字などの字数にまとめてスラスラと書き出すのはそれなりに訓練が必要(自分はそうでした)です。

過去問の演習では、時間を計りながら実際に紙に書いて、10~20字程度の設問の場合は、ひとつのキーワードを入れて完結に、50字~60字の長文は、複数(3つ程度)のキーワードを入れて、具体的かつ事例に沿った解答をつくるよう意識しました。なるべく試験を再現しつつ、ひたすらアウトプットの訓練をして慣れておくとよいと思います。

余談ですが、自分は、実際の試験の記述式の解答欄とほぼ同じマス目(8mm方眼罫)のノートを買ってきて、より試験に近い状況を作って解答を書き込んでいました。


以下のようにあらかじめ文章をパターン化しストックしておくと、解答を書くときに楽です。

・運用寄り(対策を問われる)の解答

改善策を検討する
管理負荷の軽減
管理工数の増大
運用管理の省力化
保守性の向上
属人化
作業中止の判断基準と切り戻し作業の手順
ケーブリングの簡素化

・技術寄り(通信の事象などを問われる)の解答

○○の負荷による転送遅延
伝送遅延
処理遅延
処理を平準化する
バッファの枯渇(フロー制御とセット)
音声品質の劣化
パケットロス
レスポンス速度の低下
ウィンドウサイズの縮小
チャネルの占有時間(無線LAN)
通信の遮断

などなど
これは過去問を解くなかで自分でストックしていってもよいし、公式解答の言い回しをストックしてもよいと思います。


5.国語力の重要性


高度試験の午後Ⅱでは、十頁にもわたる問題文をまずは「読解」する必要があります。
自分は圧倒的に国語力が低く、情報を頭の中で整理することができなかったことと、伝えたいことを的確に文章化する(制限字数で主旨をまとめる)ことができなかったんですね。これはもう試験問題をたくさん読んで慣れるしかないのかななんて思っていましたが、ある時こんな本を読みました。
こどもの国語力を伸ばしたい親御さん向けの本なのですが、体系的に国語の基礎を学び直すことができるので、国語が苦手な大人にもおすすめです。 論理的思考力も身に付きます。(レビューを読んで思わずポチッてしまいました)
キーワードは具体化と抽象化!
  
「本当の国語力」が驚くほど伸びる本―偏差値20アップは当たり前!
福嶋 隆史
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6.解答テクニック的なもの


●問題文に添った具体的な解答を意識する。
40字以上の記述問題は、問題文の事例(状況)に添って具体的に解答する。また、その際には適切なキーワードを複数入れ込む。
例)問題:DNS-SをDC-Dに置く目的を要件に基づき40字以内で述べよ
自分解答:データセンタの障害時、稼働中のデータセンタにアクセスを振り分けること(抽象的で×)
IPA模範:DC-C障害時にもDNS-Sを使ってDC-Dでサービス提供を可能とするため(これが問題に沿った具体的な回答)

ここでいうキーワードは「DC-C障害」「DNS-S」「DC-D」「サービス提供」あたりになると思いますが、これらをキチンと入れ込んで解答を作ることが点数につながります。

用語は問題文から抜き出すのが基本ですが、平成22年午後1問3の採点講評では、
「実務に沿った設問としたが、単に問題文から抜き出している解答が多かった」とあり、ただ抜き出せばいいというものでもなく、原因や解決策などの抽象化したキーワードを見つけて解答に入れ込む必要があります。

ただ、どうしても解答が思い浮かばない場合は、それっぽいキーワードをいくつか入れて解答欄を埋めるというのはアリだと思います。空白だと確実に0点ですが、キーワードだけでも正解していれば、部分点をもらえる可能性があります。午後の結果59点に泣く人多数のこの試験、とにかく埋める努力はして損はないです。

●問題に書いていないことを苦し紛れに勝手に自分ででっちあげないこと。徹底的に問題文に寄り添うこと。

●ネットワーク構成図や通信手順の図は【※注記】を特に注目して読む
午後問題に必ずと言ってよいほど出てくる構成図は、下のほうに小さく表記されている注記に注目してください。回答を一意にするためのヒントが高確率で書かれています。

●設問にて、通信ができない障害時の設定ミスは、デフォルトゲートウェイかサブネットマスクが誤って設定されている事が多い

●問題選択は、苦手1問を切り捨てる。
 自分が苦手な分野を予め理解しておく。

●わかならない問題はとばして、簡単な問題から解いていくこと。特に午後Ⅰは時間との勝負!

●午後Ⅱの問題選択は最後の設問までちゃんと見て決める。問の序盤だけで決めて解きはじめ、後半全然わからない場合、問題変更はかなり厳しい。

●設問のパターンによって解答の語尾を決めておくと解答がブレない。
設問:理由を述べよ→理由の場合、解答の語尾は「~から」にする 「○○が△△から」
例:メール中継サーバのIPアドレスを記述する理由を30字以内で述べよ
→社外に送信されるメールの送信元IPアドレスになるから
機能を答えよ→「○○○機能」(例:TCPの再送機能)
目的を述べよ→「○○する」or「○○すること」
効果を述べよ→~する効果 「~を低減する効果」とか「~を防止する効果」

●問のヒントを見逃さない
設問にて「~の観点から**字以内で述べよ」や「HTTPの通信を対象に**字以内で述べよ」等は、~の観点やHTTPの通信 を必ずふまえて解答すること。ある意味大きなヒントを与えられているという事です。これを無視した解答は、いくらもっともらしい内容でも、間違いなく点はもらえないでしょう。

●明らかに違和感のある文や問題点はマークを付けて目立たせておくこと。設問で答えがわからない場合はマークを見直すこと。(ヒントが見つかるかも)

●答えは常にシンプルである

●選択問題の○付けは指差し確認!丸の付け忘れは0点です。努力を無駄にしないためにも忘れずに。


最後に、なんといっても3回も落ちているので、偉そうなことは言えませんが、一発合格するよりも確実に知識は深まったと思うので結果よかったと思っています。以上、ダラダラと書いてしまいましたが、今後ネットワークスペシャリストを受験する方の参考になれば幸いです。


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プロフィール

Author:katsudon
どーしてもネットワークスペシャリストに合格したいオッサンが、試験テクニックや技術ネタ・勉強法や勉強記録なんかを備忘録もかねてログに残していきます

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